先日(約半月前)、ちょっとしたロードムービーばりのハラハラドキドキを体験した。
わたしは約7年半前に脳出血を患ってたいちを出産し、以降毎年、新宿にある某総合病院でMRI撮影と診察を受けている。まだ一人で外出するのが大変だった頃は夫に付き添ってもらっていたが、ここ数年は自分で診察予約、電車の乗換検索などをして通っている。
我が家は東京の西端周辺にあるため、同じ東京都内でも新宿へ行くのは割と長旅だ。
今年も例年通り長旅をして病院へ行かなくてはならなかった。
その日の診察予約はかなり早い時間だった。下手したら通勤ラッシュに巻き込まれそう…だったけど、ラッキーにも電車に乗って二駅目で座れた。これが落とし穴だった。普段なら、夫も子どもも送り出し、家で一息ついてる時間。予定どおりの電車に乗れて、かなり気が抜けていた。…気づいた人もいるでしょう…、そう。爆睡。
気づいたら、聞いたことのない駅名のアナウンス…。
きゃー
ていうかここどこよ
船堀?”ふな”…てことは、船橋とかがある千葉県に突入しちゃったうわあ〜んどうすればいいの〜??
わたしは寝ぼけながら焦った。とりあえず電車を降りなくちゃ!!病院へ行かなきゃだし!折り返して電車にのりなおす?それとも次の停車駅で降りてタクシー…待てよ。タクシーに乗るなら大きめの駅がいいかな…と、車内の路線図を確認。あと2駅ほどで急行が停まる駅だ(乗っていたのは各停)。よし、そこで降りてタクろう!
…と、電車を降りた。…が、その駅には…、タクシー乗り場はなかった…。そして、地下鉄駅の地上出口に向かう階段横に…、エスカレーターもなかった…。
ぜいぜい言いながら駅を脱出。地上に出てみたら、割と広い道路が。お、意外と楽にタクシー拾えるかも。…が、わたしは自他共に認めるかなりの方向音痴。こんな初めて来た地で、道のどっち側でタクシーを拾えば、スムーズに目的地へ向かえるか…なんてわかるハズなしええい、ままよ…と駅の出口のある側であたふたと手を挙げ、タクシーをつかまえた。運ちゃんは言葉になまりのあるおじさんで、道がわかるか不安だったが、目的地の病院はかなり有名な病院だし、大丈夫でしょ、と高をくくって、「新宿の○○病院へお願いします」と言ってみた。ここが千葉だったらかなりの距離だなー…、大出費だなー…痛いなあ…、ていうかこんなに大遅刻して診察受けられるのかなー…、などとネガティブなことしか頭に浮かばないなか、運ちゃんは「あれ?」とか言いながらカーナビをいじっている。えええええ、もしかして場所わからないの!?
タクシーの中で気まずくなったわたしは、ケータイでメールを打った。夫にこの状態をメールしても怒られるだけなのはわかっていたので、姉達に送ることにした。長姉から返ってきたメールには「タクシーなら寝過ごさなくてすむね」とな。こんなに焦ってる状況で寝られるかぁ〜!?とひとしきり突っ込んだりしているうちに、見覚えのある新宿周辺に入った。やったー、やっと病院行ける!
ほんのちょっぴりラッキーなことに、運ちゃんは目的地の病院へ行ったことがあるとのことで、意外にスムーズに病院に送り届けてくれた。急いで総合受付を済ませ、MRI撮影へ。そこの受付のおねえさんには、「遅刻が確定したらすぐに連絡くれないと…」と怒られた。
なんとかMRI撮影も終わり、すぐに主治医の診察へ。当然予約時刻を大幅に過ぎていた。いつも○時間単位で待たされるので、もしかしてちょうどいい時間かもなんて思ったが、こんな大遅刻からさらに2時間ほど待たされた。
お昼ごはんも食べてないのにぃ〜と泣きそうだったが、なんとか診察も受けられた。先生に「実は電車で寝過ごしちゃって大遅刻しちゃったんですよー」と話したら、「あらーそうですかー。あでも時間どおり来てくれてもこの時間になっちゃっただろうからなぁ〜」
ええええ、そうなのぉー?
それじゃ、予約時刻には行かないと腹をきめ、連絡だけして遅刻したほうが楽なのでは??
と思ったわたしです…。